1.学会認定医師による診断

各学会では、専門医という制度を設けています。日本頭痛学会の場合、5年以上の頭痛診療経験と筆記試験で認定されます。脳神経内科や脳神経外科の専門医であれば、80%位の医師が合格します。しかし、それはあくまで試験に合格したというスタートラインに過ぎません。試験に合格してからどれだけ経験を積み、一つひとつの症例に対してどんな考察を加えてきたかが重要です。

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当頭痛外来の治療方針として、学会の認定した専門医というだけではなく、症例経験から学ぶ事で日々研鑽しています。

片頭痛についての考察

当頭痛外来では、文献や経験に基づき、下記のテーマについて片頭痛の研究を重ねています。

片頭痛と光との関係

片頭痛と環境要因

片頭痛と脳血管障害

片頭痛の治療薬

薬以外の片頭痛の治療

診断困難な頭痛

一方、様々な診断困難な症例につき、詳しい問診とそれに基づいた検査方法により、正確な診断が得られるよう研鑽を積んでいます。

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2.オーダーメイドの検査

脳の病気を調べるために、CT検査やMRI検査があります。いずれも脳の異常がないかをコンピューターで分析して画像にする検査です。頭痛の原因となる重大な病気を見落とさないために、当院では検査方法の工夫をしています。

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2.1 CTとMRI

CTとMRIの違いについて説明します。

CT(Computed Tomography)

頭の周りに360度X線を当ててコンピューターで分析する事で、このような脳の断面図が得られます。脳の血管については、造影剤という副作用のある薬を注射しながらでないと写りません。通常のCT検査では、血管の変化による病気は分かりません。
当頭痛外来の治療方針

MRI(Magnetic Resonance Imaging)

高磁場を当てて体内の水素原子に共鳴現象を起こさせ、反応する信号をコンピューターで捉えて画像化したものです。 CTとの違いは、検査の方法により様々な目的の画像が得られる事です。
当頭痛外来の治療方針

2.2 症状に合わせたMRIの撮像

MRIの画像の種類を紹介します。

①T2強調画像

脳の形の変化を精細にとらえる撮像方法で、脳腫瘍や脳の萎縮などが分かります。 MRIでは、CTと違って様々な向きの断面を撮像できます。この例は髄膜腫という脳腫瘍で、大きさや立体的な形状が分かります。
当頭痛外来の治療方針

②拡散強調画像

水分量の変化を敏感にをとらえる撮像方法です。 脳の血管がつまる脳梗塞は、発症してすぐにはCTで写りません。MRIでも、この検査法でなければ写らない時期があります。脳梗塞を疑い、MRIで拡散強調画像を撮って初めて、発症したばかりの脳梗塞を発見することができるのです。この例では、脳幹というCTでは写りにくい場所に、数時間前に発症したばかりの脳梗塞(白く光っている場所)があります。
急性期脳梗塞例

③T2*強調画像

磁化率効果に敏感で、血液成分をとらえる撮像方法です。 この例では、複数の微小脳出血(細動脈というきわめて細い血管が破綻したもの)がとらえられています。CTでは、このような微小脳出血はほとんど分かりません。
当頭痛外来の治療方針

④FLAIR画像

水に接する病変を検出する撮像方法です。 脳底部のくも膜下腔という部分に白く映っているのは血液で、くも膜下出血を起こしている状態です。ここは本来髄液という水の流れている場所で、正常では黒く写ります。
くも膜下出血例

⑤MRA画像

脳内で動いている水分(血液)に反応する信号を合成して、脳の動脈を描く撮像方法です。 くも膜下出血の原因となる動脈瘤(血管のコブ)や動脈解離(血管の壁が裂ける状態)が分かります。この例では、右の内頚動脈という血管に脳動脈瘤を認めます。通常のCTでは、脳動脈瘤は分かりません。
MRA脳動脈瘤例

当院では患者さんの症状や経過を基に診察を行い、どんな撮像方法が必要なのかを考えて検査を行っています。また、判断の難しい症例の場合、複数の専門医が画像をダブルチェックして見落としを防ぐようにしています。

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3.周辺病院との連携

当院を受診した患者さんを他の病院に紹介する事もあります。詳しい検査や手術、入院が必要となった時です。逆に入院治療が落ち着いた場合、再び当院で慎重に経過観察を行っています。こうした役割分担を病診連携といい、当院ではこうした周辺病院との協力体制を重視しています。

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「大きな病院で診てもらったほうがいい」 何か病気になった、あるいはかかっている病院やクリニックで良くならない時、家族や知人からそんなふうに言われた経験がありませんか? 「小さな個人医院」だと適切な診断や治療ができないだろう、だから取りあえず大学病院や大病院に行ってみよう、という心理があるのでしょう。

大きな病院だけが全てではありません。検査の結果当院の専門外の疾患だった場合には、「小さな個人医院」であってもその分野を専門とする診療所へ紹介しています。

当院では、下記の病院との医療連携を行っています。

横浜脳神経内科との医療連携病院

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4.薬の効果的な処方

誰にでも効くような頭痛の特効薬はありません。頭痛の原因や病態の変化を突き止めて、最適な薬を処方する事が必要です。

今まで効いていた薬が効かなくなった場合、以下の2つの可能性が考えられます。

①新たな疾患を発症した可能性:人間の身体も医学も不確実な部分が多いものです。今までと同じ頭痛だと思っていたら、実は違う疾患を発症していたという場合は多々見受けられます。

②同じ疾患でも状態が変化する:例えばトリプタンという「片頭痛の特効薬」とされている薬が効いていたのに、ある時期から効かなくなったという場合があります。 片頭痛のメカニズムを考え、問診により悪化要因やきっかけを分析する事で、トリプタンが効かなくなった理由が見えてきます。

5.生活習慣改善のアドバイス

できれば薬は飲みたくない。生活習慣を工夫して頭痛をなくしたい。そうした希望に応えるためにも、正しい診断が欠かせません。頭痛の原因がわかれば、様々な改善のアドバイスができます。

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慢性頭痛で悩んでいる方のほとんどが片頭痛だと思われます。 元々の体質だからとあきらめていませんか? 遺伝子の関係した体質である事は確かですが、生活習慣や環境からの影響が多いとも言われています。

様々な悪化要因が挙げられています。

  1. ①光・音・匂いの刺激
  2. ②食生活(チラミンの多い食品や空腹)
  3. ③睡眠の過不足
  4. ④精神的ストレス
  5. ⑤過労
  6. ⑥気圧変化
  7. ⑦温度変化
  8. ⑧旅行
  9. ⑨飲酒・喫煙
  10. ⑩他の薬の影響

一人ひとりの患者さんの生活スタイルをお聞きし、何が頭痛を悪化させているかを考察した上で、アドバイスを行っています。

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横浜医院「横浜脳神経内科」

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