低気圧頭痛(天気痛、気象病)について説明します。
低気圧の影響
気圧の変化が体に影響を及ぼし、頭痛を起こす事があります。また、めまいやだるさ、気分の落ち込みなどを引き起こす事もあります。
低気圧頭痛のメカニズム
気圧が下がる事で脳の血管が拡張し、血管周囲の三叉神経が刺激されて生じます。つまり、片頭痛が起こる事になります。この反応は、特に気圧が急激に変化する際に顕著です。飛行機頭痛や高山性頭痛はその典型例と言えるでしょう。
低気圧の影響を受けやすい人
片頭痛を持つ人は、低気圧の影響を受けやすい事が知られています。特に、内耳が気圧の変化を敏感に察知し、脳神経細胞が興奮する事で、痛みが増幅されます。
対策
低気圧による頭痛を軽減する事は困難です。しかし、気圧の変化を事前に把握し、片頭痛予防のための体調管理に努める事が大事です。片頭痛の悪化要因には、以下の事が知られています。
- ・睡眠不足
- ・ブルーライトの刺激
- ・食生活
- ・交感神経の過剰状態
したがって、普段以上にこうした生活習慣の見直しをしてみましょう。
以下をご参照ください。
また、漢方薬が有効である場合がありますので、ご相談ください。
参考
- Migraines: Are they triggered by weather changes? – Mayo Clinic
- 天候と頭痛との関係 – 日本頭痛学会
- 佐藤 純. 天気痛の本質と治療対策. 日本頭痛学会誌. 2022 49:81-83.
- 佐藤 純. 気象変化による慢性痛悪化のメカニズム. 日生気誌. 2003 40(4):219-224.
(文責:横浜脳神経内科 理事長 丹羽 直樹)