片頭痛の対処と治し方

片頭痛の対処や治し方は、薬を飲む事が確実かもしれませんが、できれば薬に頼らずに頭痛や吐き気を治したいのではないでしょうか?片頭痛の原因を基に考えてみましょう。

片頭痛の対処と治し方

片頭痛のしくみでお伝えしたように、片頭痛ではストレスにより血管内にセロトニンという物質が放出されて脳の血管が収縮する事から始まります。その後セロトニンが減少した時に血管が拡張してズキンズキンと痛みます。

片頭痛の血管収縮と拡張

この時早めに血管を冷やしてやれば、血管が収縮して痛みが軽くなります。では、どうすれば脳の血管を冷やす事ができるかを説明します。脳の血管(動脈)は厚い頭蓋骨の中にあり、痛い場所を冷やしても痛みのある血管まで届きにくいのです。(頭蓋骨の厚みは1cm以上あります)脳の血管の入り口は総頚動脈と椎骨動脈です。主な脳血流は総頚動脈から流れていくので、下図のような首の横を冷やすのが効果的です。

脳動脈

総頚動脈はほぼ耳の下、顎の骨よりも下の位置です。この場所であれば、骨にじゃまされないので、直接脳へ行く血液を冷やす事ができます。総頚動脈よりも後ろにある椎骨動脈は、深い場所にあるので冷やすのは難しいです。

総頚動脈の位置

ここを指の先でやや強めに圧迫してみると、かすかに脈打っているのがお分かりかと思います。その脈打つ場所が総頚動脈です。(くれぐれも両側同時には圧迫しないでください。失神する危険があります。)右側の痛みであれば右側、左側であれば左側、頭全体の痛みであれば両側を、保冷剤などをハンカチやガーゼでくるんで冷やすのが良いでしょう。

片頭痛の起きるしくみは脳血管の拡張だけではありません。脳細胞の内部で知覚過敏(痛覚過敏)の状態が発生し、血管から発生した痛みをいっそう強く感じる状態となります。この脳内の知覚過敏を引き起こす誘因として、パソコンやスマートフォンなどのデジタル端末から発生するブルーライトと言われる強い光が最も大きいと思われます。

デジタル端末

このブルーライト対策が片頭痛予防の1つのカギです。

ブルーライトを遮断するメガネやコンタクトレンズに変えてみる方法があります。遮断率が60%以上のレンズが有効とされていますが、実際にはあまり市販されていないので、それ以下の%でも多少は違うでしょう。

ブルーライト対策

スマートフォンの設定を調整してみる方法もあります。

(A社の場合)

設定画面で「画面表示と明るさ」をタップします。。

設定画面

明るさをできるだけ暗くします。

明るさ

True Toneをオンにします。

TrueTone

NightShit

手動にして「冷たく」を「暖かく」の方向へずらして、見やすい色合いに変えます。

(B社の場合)

設定画面で「ディスプレイ」をタップします。

設定

「リラックスビュー」をタップします。

リラックスビュー

「使用」にして「黄味の強さ」を右へ移動します。

黄味の強さ

こうした方法でブルーライトを弱める事ができます。

特に寝る前にスマートフォンを見る習慣を止める事が大切です。

寝る前の習慣

脳を刺激する事で不眠の原因ともなり、さらに片頭痛を悪化させます。

ブルーライトはきわめて紫外線に近い光ですが、太陽光線の紫外線も片頭痛の誘因となります。紫外線を強く遮るタイプのサングラスも効果的です。赤茶色のレンズが紫外線を吸収しやすいとされています。

サングラス

片頭痛を悪化させる食品でお伝えしたように、脳血管拡張を引き起こして片頭痛を起こしやすくする食品や食品添加物があります。1)2) 様々な添加物の入ったインスタント食品や加工食品、外食を避け、できるだけ自然食品を摂るようにする事も大事です。いつもハンバーガーショップへ行っていた方がそれを止めたら、片頭痛の回数が半分位に減ったという事例もあります。

 

文献

  1. Migraine Triggers: University Health Services
  2. WHAT CAUSES MIGRAINES? : Northwest Neurology

 

(文責:理事長 丹羽 直樹

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