片頭痛の対処は、薬を飲む事が確実かもしれません。しかし、できれば薬に頼らずに頭痛や吐き気を治したいものです。
まずは片頭痛のメカニズムから考えていきましょう。片頭痛のしくみでお伝えしたように、脳血管内にセロトニンという物質が放出されて血管が収縮する事から始まります。その後セロトニンが減少した時に、血管が拡張してズキンズキンと痛みます。
片頭痛の対処1 – 脳血管の収縮
血管を冷やしてやれば、血管が収縮して痛みが軽くなります。しかし、脳の血管(動脈)は厚い頭蓋骨の中にあり、痛い場所を冷やしても血管まで届きにくいのです。脳の血管の入り口は総頚動脈と椎骨動脈です。主な脳血流は総頚動脈から流れていくので、下図のような首の横を冷やすと効果的です。
総頚動脈はほぼ耳の下、顎の骨よりも下の位置です。この場所であれば、骨がないので、直接脳へ行く血液を冷やす事ができます。総頚動脈よりも後ろにある椎骨動脈は、深い場所にあるので冷やすのは難しいです。
ここを指の先でやや強めに圧迫してみると、脈打っているのがお分かりかと思います。その脈打つ場所が総頚動脈です。保冷剤などで冷やすのが良いでしょう。
片頭痛の対処2 – ブルーライト対策
片頭痛の起きるしくみは脳血管の拡張だけではありません。脳細胞の内部で知覚過敏の状態が発生し、血管から発生した痛みをいっそう強く感じる状態となります。知覚過敏を引き起こす誘因として、パソコンやスマートフォンなどから発生するブルーライトが最も大きいと思われます。
ブルーライトを遮断するメガネやコンタクトレンズに変えてみる方法があります。遮断率が60%以上のレンズが有効とされていますが、実際にはあまり市販されていないので、それ以下の%でも多少は違うでしょう。
スマートフォンの設定を調整してみる方法もあります。
iPhoneの場合
明るさをできるだけ暗くします。
True Toneをオンにします。
手動にして「冷たく」を「暖かく」の方向へずらし、さらに見やすい色合いに変えます。
Androidの場合
設定画面で「ディスプレイ」をタップします。
「リラックスビュー」をタップします。
「使用」にして「黄味の強さ」を右へ移動します。
こうした方法でブルーライトを弱める事ができます。
特に寝る前にスマートフォンを見る習慣を止める事が大切です。
脳を刺激する事で不眠の原因ともなり、さらに片頭痛を悪化させます。
ブルーライトはきわめて紫外線に近い光ですが、太陽光線の紫外線も片頭痛の誘因となります。つまり、紫外線を強く遮るタイプのサングラスも効果的です。赤茶色のレンズが紫外線を吸収しやすいとされています。
片頭痛の対処3 – 食生活の見直し
脳血管拡張を引き起こして片頭痛を起こしやすくする食品や食品添加物があります。1)2)
片頭痛の食事療法をご参照ください。様々な添加物の入ったインスタント食品や加工食品、外食を避ける事。そして、自然食品を摂るようにする事も大事です。いつもハンバーガーショップへ行っていた方がそれを止めたら、片頭痛の回数が半分位に減ったという事例もあります。
文献
(文責:理事長 丹羽 直樹)