夜中に頭痛で目が覚める原因と対策まとめ
夜中に頭痛で目が覚めると、睡眠不足や日常生活への影響が心配になります。この記事では、主な原因や特徴、対策、受診の目安についてわかりやすく解説します。

夜中に頭痛で目が覚める主な原因
- ・睡眠時頭痛(目覚まし時計頭痛)
- ・睡眠時無呼吸症候群による頭痛
- ・群発頭痛
- ・可逆性脳血管攣縮症候群
- ・重大な病気のサイン(くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍など)
それぞれの原因の特徴と見分け方
睡眠時頭痛(目覚まし時計頭痛)
- ・夜間限定で、一定の時間に繰り返し起こる
- ・50歳以上の女性に多い
- ・15分~4時間続くことが多い
- ・他の頭痛(片頭痛・群発頭痛)とは症状が異なる
睡眠時無呼吸症候群による頭痛
- ・いびき、日中の強い眠気が特徴
- ・睡眠中の酸素不足が原因で頭痛が起こる
- ・明け方や夜中に頭痛で目が覚めることがある
群発頭痛
- ・目の奥がえぐられるような激痛
- ・涙や鼻水、まぶたの腫れなどを伴う
- ・夜間や明け方に発症しやすい
可逆性脳血管攣縮症候群
- ・雷が鳴ったような突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)
- ・入浴、排便、運動、ストレスなどが誘因となることがある
- ・繰り返し発作が起こる場合がある
重大な病気のサインと早期受診が必要な症状
- ・突然の激しい頭痛
- ・手足のしびれや麻痺、うまく話せない
- ・嘔吐や意識障害を伴う
- ・徐々に痛みが強くなる頭痛
- ・今までに経験したことがない頭痛
上記のような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
夜中の頭痛のセルフケア・対策方法
- ・睡眠時頭痛:カフェイン摂取や医師の処方薬で対策
- ・睡眠時無呼吸症候群:専門的治療や生活習慣の見直し
- ・群発頭痛:アルコールや激しい運動を避け、医師の治療を受ける
- ・可逆性脳血管攣縮症候群:ストレス管理や誘因の回避
- ・どの頭痛も、自己判断せず専門医に相談することが大切
受診の目安・相談先
- ・繰り返す夜中の頭痛や、普段と違う強い頭痛がある場合は早めに受診を
- ・頭痛外来、脳神経内科が相談先
まとめ:夜中の頭痛で困ったら
夜中の頭痛には様々な原因があり、重大な病気が隠れていることもあります。早めの受診と専門医の診断が安心・安全につながります。気になる症状があれば、一人で悩まず医療機関に相談しましょう。
参考
- Neurology Consultants Medical Group, Whittier, CA. “Alarm Clock” Headaches
- Hypnic headache – The Migraine Trust
- 睡眠時無呼吸症候群 – 千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
- 群発頭痛 – 日本頭痛学会
- 群発頭痛の在宅酸素療法(HOT)ガイドライン – 日本頭痛学会
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設