片頭痛と栄養についての解説です。
分子栄養学の関与
片頭痛は神経系の異常や血管の変化で起こります。分子栄養学はその予防や治療において重要な役割を果たす可能性があります。分子栄養学は、栄養素が細胞や分子レベルでどのように機能するかを研究する分野です。特に、片頭痛に関連する栄養素の摂取が症状の改善に寄与する事が示されています。
栄養素の役割
マグネシウム
マグネシウムは、片頭痛の発作を減少させる効果があるとされています。研究によると、マグネシウムを600mg摂取する事で、片頭痛の頻度が減少したという報告があります。
マグネシウムは神経の興奮を抑える作用があり、頭痛の緩和に寄与します。
ビタミンB群
特にビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB3(ナイアシン)は、片頭痛の予防に効果的とされています。ビタミンB2は、片頭痛の発生頻度を50%以上減少させる事が報告されています。ナイアシンは脳の血行改善により、片頭痛の症状を軽減する可能性があります。
ビタミンD
ビタミンDは炎症反応を抑える効果があります。血中のビタミンD濃度が上昇する事で、片頭痛の発生率が減少する事が報告されています。
オメガ-3脂肪酸
オメガ-3脂肪酸は、炎症を抑える効果があり、片頭痛の発作を軽減する事が示唆されています。魚やナッツ類に多く含まれています。
食事の工夫
片頭痛を予防するためには、栄養素を意識した食事が重要です。特に、マグネシウムやビタミンB群を多く含む食品を積極的に摂取する事が推奨されます。具体的には、以下のような食品が挙げられます。
- ・海藻類(マグネシウムが豊富)
- ・大豆製品(納豆など)
- ・玄米や全粒穀物
- ・緑黄色野菜
また、片頭痛を引き起こす可能性のある食品は控える事が望ましいです。
アドバイス
分子栄養学の観点から、片頭痛の予防や治療には、特定の栄養素の摂取が重要である事が示されています。したがって、マグネシウムやビタミンB群を意識した食事を心がける事で、片頭痛の症状を軽減する事が期待できます。
横浜脳神経内科では、こうした分子栄養学の知見に基づき、管理栄養士による食事相談を実施しています。
(文責:理事長 丹羽 直樹)