頭痛と漢方薬について説明します。

五苓散
雨の降る前日に頭痛が起きる経験はないでしょうか?
梅雨の時期や台風がやって来る時に片頭痛が悪化する事実はよく知られています。また、いつもは効いていた薬が効かなくなる事もあります。首の後ろや肩にかけて痛くなる方が多いかと思います。
そこで、五苓散という漢方薬がこうした場合に用いられます。
脳内を含め、体内の水分バランスに関係しているアクアポリンというタンパク質があります。気圧が低下する際には、このアクアポリンの水分調節作用が病的になるために頭痛を起こし、五苓散はこの水分バランスを適正にコントロールする事で予防効果を発揮するのではないかと推測されています。
低気圧の時期に合わせて服用するだけでも良いと思われます。
呉茱萸湯
頭痛と漢方薬との相性は、全ての方に良い訳ではありません。しかし、西洋薬だけでは効果が不充分な場合に試してみる価値はあると思われます。
参考
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設