片頭痛と貧血

片頭痛と貧血の関係についての考察です。

片頭痛と貧血

片頭痛と貧血の関係

貧血が進行すると、血液中のヘモグロビンが減少し、脳に十分な酸素が供給されなくなります。この酸素不足が脳血管を拡張させ、片頭痛を引き起こします。

 

鉄欠乏性貧血の影響

鉄はヘモグロビンの主要な成分であり、体内の酸素運搬に不可欠です。鉄が不足すると、ヘモグロビンの生成が減少し、結果として酸素供給が不足します。

これにより、頭痛やめまい、疲労感などの症状が現れる事があります。特に女性は月経による鉄分の喪失が多く、貧血になりやすい傾向があります。

 

片頭痛のメカニズム

片頭痛は、神経伝達物質の変化や血管の拡張によって引き起こされる事が知られています。

ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスが崩れると、片頭痛の発作が誘発されます。鉄欠乏性貧血は、これらの神経伝達物質の代謝にも影響を与え、片頭痛のリスクを高める可能性があります。

 

対策と治療法

貧血による片頭痛を軽減するためには、鉄分を含む食事を心がける事が重要です。レバー、ほうれん草、ひじきなどの鉄分が豊富な食品を積極的に摂取することが推奨されます。また、必要に応じて鉄剤の服用も考慮されるべきです。

片頭痛と鉄欠乏性貧血の関連性については、最近の研究でも示されています。2021年の米国の研究によると、鉄はドーパミンの代謝に重要な役割を果たしており、片頭痛の患者ではドーパミンの血中濃度が低下する事が報告されています。このため、鉄欠乏性貧血が片頭痛の発症に寄与する可能性があると考えられています。

また、片頭痛の症状がある場合、鉄欠乏性貧血の検査を受けることが重要です。特に女性は、月経による鉄分の喪失が多く、貧血になりやすいため、定期的な検査が推奨されます。

さらに、貧血の治療には、鉄分だけでなく、ビタミンB12や葉酸の摂取も重要です。これらの栄養素は赤血球の生成に関与しており、貧血の改善に寄与します。

 

文献

 

(文責:理事長 丹羽 直樹

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