片頭痛と貧血

片頭痛と貧血との関係について説明します。

 

片頭痛と貧血

 

Q1. 片頭痛と鉄欠乏性貧血との関係は?

A1. 片頭痛と鉄欠乏性貧血との関連性について、最近の研究で示されています。1)2)

2021年の米国の研究によると、鉄はドーパミンの代謝に重要な役割を果たしており、片頭痛の患者ではドーパミンの血中濃度が低下する事が報告されています。このため、鉄欠乏性貧血が片頭痛の発症に関係する可能性があると考えられています。

 

Q2. 鉄欠乏性貧血の影響は?

A2. 鉄はヘモグロビンの主要な成分であり、体内の酸素運搬に不可欠です。鉄が不足すると、ヘモグロビンの生成が減少し、結果として酸素供給が不足します。このため、頭痛やめまい、息切れ、疲労感などの症状が現れる事があります。特に、女性は月経による鉄分の喪失が多く、貧血になりやすい傾向があります。

 

Q3. 片頭痛のメカニズムは?

A3. 片頭痛は、脳血管の拡張により起こります。また、この変化は女性ホルモンに関連する事が多く、女性に片頭痛が多い原因となっています。

ドーパミンやセロトニンといった神経伝達物質のバランスが崩れると、片頭痛の発作が誘発されます。鉄欠乏性貧血は、これらの神経伝達物質の代謝に影響を与え、片頭痛のリスクを高める可能性があります。

 

Q4 対策と治療法は?

A4. 貧血による片頭痛を軽減するためには、鉄分を含む食事を心がける事が重要です。レバー、ほうれん草、ひじきなどの鉄分が豊富な食品を積極的に摂取する事が推奨されます。また、必要に応じて鉄剤の服用も考慮すべきです。

また、片頭痛の症状がある場合、鉄欠乏性貧血の検査を受ける事が重要です。特に女性は、月経による鉄分の喪失が多く、貧血になりやすいため、定期的な検査が推奨されます。

さらに、貧血の治療には、鉄分だけでなく、ビタミンB12や葉酸の摂取も重要です。これらの栄養素は赤血球の生成に関与しており、貧血の改善に寄与します。

 

横浜脳神経内科では、分子栄養学の知見に基づいた片頭痛のための栄養相談を行っています。また、日本頭痛学会専門医・指導医日本神経学会専門医・指導医日本脳卒中学会専門医が診療を行っています。不安な方は、お気軽にご相談ください。

片頭痛と貧血

 

文献

 

(文責:横浜脳神経内科 理事長 丹羽 直樹

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