閃輝暗点とは?
閃輝暗点(せんきあんてん)は、突然視界にチカチカ・ギザギザした光や模様が現れる症状です。数分から1時間ほどで消えることが多く、片頭痛の前兆としてよくみられますが、頭痛を伴わない場合もあります。

閃輝暗点の主な原因
- ・最も多い原因は片頭痛の前兆
- ・脳の後頭葉(視覚野)での異常反応
- ・脳血管の一時的な収縮・拡張
- ・ストレス、睡眠不足、特定の食品(チョコレート、赤ワイン、カフェインなど)
- ・光刺激や生活習慣の乱れ
- ・女性ホルモンの変動や気圧変化も影響
閃輝暗点が起こる仕組み
脳の血流やセロトニンのバランスが乱れることで、後頭葉の脳細胞が一時的に異常反応を起こします。そのため、目を閉じていても視界に異常が現れるのが特徴です。
片頭痛以外の原因と注意が必要なケース
- ・脳梗塞や脳腫瘍などの重篤な脳疾患が原因の場合もあり
- ・高齢者や初めて・頻繁に発症する場合は要注意
- ・眼の病気(網膜剥離など)との区別も大切
閃輝暗点が起きた時の対処法
- ・安静にして、暗い場所で休む
- ・水分をしっかり補給する
- ・運転や危険な作業は避ける
- ・症状が長引く・繰り返す場合は医療機関を受診
受診の目安と推奨される診療科
- ・初めて発症した場合や、症状が頻繁に起こる場合
- ・頭痛や手足のしびれ、言語障害など他の症状を伴う場合
- 脳神経内科の受診が推奨されます
予防のためにできること
- ・規則正しい生活習慣(十分な睡眠・バランスの良い食事)
- ・ストレス管理や適度な運動
- ・トリガーとなる食品や状況を把握し、できるだけ避ける
よくある質問(Q&A)
Q1. 頭痛がなくても危険ですか?
A1. 頭痛がなくても、脳の病気が隠れていることがあります。初めての場合や頻繁に起こる場合は医療機関を受診しましょう。
Q2. 閃輝暗点が繰り返し起こる場合は?
A2. 脳疾患の除外のため、一度MRIやCTなどの検査を受けることをおすすめします。
Q3. どんな検査が必要ですか?
A3. 眼科的検査や脳の画像検査(MRI・CT)で原因を調べます。
Q4. 治療法はありますか?
A4. 閃輝暗点自体に特効薬はありませんが、片頭痛の治療や生活習慣の改善で予防が可能です。
まとめ
閃輝暗点は片頭痛の前兆が最も多いですが、他の脳疾患が原因の場合もあります。症状や発症状況に応じて、早めに専門医へ相談しましょう。日々の生活習慣を見直すことも予防に役立ちます。
参考
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設
