頭痛に効くツボ

頭痛に効くツボについて説明します。

頭痛に効くツボ

特に、片頭痛に対しての鍼灸治療は、有効とする文献が多数あります。1)2)3)4)5)

 

頭痛に効くツボのメカニズム

下行性疼痛調節機構

中脳という部分に、伝わってきた痛みの信号を抑制するシステムが存在します。そこで、鍼刺激により、この抑制システムを強める作用が重要な役割を果たしています。

内因性疼痛抑制機構

麻薬であるモルヒネが鎮痛作用を持っている事はご存じかと思います。また、内因性オピオイドという、脳内で分泌されるモルヒネと同様作用を持つ物質があります。そして、鍼の鎮痛作用は、オピオイド神経系を刺激する事が関係する事が分かっています。

脊髄後角における分節性機序

痛みを伝達する神経から、脊髄後角という部分に痛み信号を伝えるゲートがあって、痛みの伝達をコントロールしています。つまり、この部分を刺激する事で、鎮痛効果が期待できます。

 

鍼灸治療の片頭痛に対する効果

難治性の片頭痛患者70例を対象とした研究では、2ヶ月間の鍼治療により頭痛日数が6.4日から1.8日に減少したという結果が報告されています。 鍼治療の効果は個人差があります。したがって、施術直後に効果を感じる場合もあれば、数日かかる事もあります。そこで、鍼灸治療はあせらずじっくりと続けていく事が大事です。

 

頭痛に効くツボ

頭痛に効くツボ

印堂(いんどう):額の真ん中。パソコンを見過ぎて目の奥が痛い時などに有効です。

頷厭(がんえん):こめかみのやや上で、髪の生え際。目の疲れを伴う時に効果的です。

太陽(太陽):こめかみのくぼみ部分で、押すとやや痛みを感じます。めまいを伴う片頭痛に有効です。

百会(ひゃくえ):頭頂部の真ん中。リラックス効果があります。そこで、ストレスによる頭痛に効果的です。

天柱(てんちゅう):首の後ろ、髪の生え際から指2本分下。肩こりや首の痛みに効果があります。

風池(ふうち):天柱の外側のくぼんでいる部分。肩こりを伴う片頭痛に効果的です。

肩井(けんせい):首の付け根と肩の先を結んだ中間の位置。肩こりや首の痛みに効果的。

※ツボを押し過ぎると、かえって痛みが強くなってしまう可能性があるため、心地よい程度の力で押すよう注意しましょう。

 

片頭痛における鍼灸治療の適応

特に、以下のような場合に鍼灸治療の対象となります。

  • ・薬が効かない場合
  • ・薬が副作用で使えない場合
  • ・薬に頼りたくない場合
  • ・妊娠中や授乳中の場合

できるだけ頭痛を減らしたい、薬を減らしたいというのは、頭痛持ちの方にとっては共通の思いかと思います。

鍼灸と頭痛に関する研究は、むしろ海外で積極的に行われています。薬物治療が全てではありません。そこで、薬が効かずに困っている方は、検討してみる価値はあるかと思います。

 

引用文献

 

(文責:横浜脳神経内科 理事長 丹羽 直樹

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