目の奥が痛い原因と頭痛や吐き気との関係について考察してみましょう。
眼科での診断
目の奥が痛い原因は目の病気とは限りません。最初に眼科を受診する方もいらっしゃるかと思います。
しかし、目の病気で目の奥が痛くなるのは、急性緑内障発作や感染などに限られます。眼科で原因が見つからなかった場合、ドライアイと診断されたり、ストレスのせいだろうなどと言われるかもしれません。
目の奥の痛み以外の特徴
そこで、よく考えてみてください。目の奥や首が痛い時、下のような特徴がないでしょうか?
- パソコンやスマホの画面を見ていて痛くなる
- 夕方西日があたると日差しをまぶしく感じる
- 人混みや混んだ電車で帰る時にまた痛くなる
- 低気圧の時期になると頭痛がある
ドライアイで目の奥が痛くなる事は、解剖学的にあり得ません。そこで、その理由を以下に説明します。
痛みの伝達経路
首から上の部分の痛みを脳に伝える神経は、主に三叉神経という神経で、脳から出た後3つの枝に別れて拡がっています。
主に三叉神経の第一枝は目から上の部分、そして第二枝は目と口の間、第三枝は口から下に分布しています。
三叉神経第一枝
さらに、第一枝の枝は目の奥にも来ています。
つまり、目の奥が痛くなるという事は、この三叉神経の第一枝が脳に痛みを伝えているわけです。
片頭痛や群発頭痛の可能性
片頭痛では三叉神経核が過剰反応を起こす事で、三叉神経の範囲に痛みを感じます。目が疲れたからといって、目の奥が痛くなる理由にはなりません。ましてや、目の表面が乾燥して痛みを起こすというのは、医学的根拠に乏しいという事です。
したがって、目の奥が痛い場合で頭痛もある原因として、片頭痛や群発頭痛の可能性があります。眼性疲労やドライアイが原因ではなく、目の奥や首の痛みそのものが片頭痛の症状と考えられます。
片頭痛に関連する要因
下記コンテンツをご参照ください。
患者さんへのアドバイス
目の奥が痛い原因として、片頭痛や群発頭痛の場合があります。痛みの範囲や痛み方、痛み以外の症状や悪化する原因を確認してみてください。
(参考)
(文責:理事長 丹羽 直樹)