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頭痛コラム

  • 閃輝暗点の原因と頭痛がない場合

    監修:横浜脳神経内科 丹羽直樹医師(日本神経学会専門医)
    投稿日:2019年10月20日|最終更新日:2026年3月1日

    閃輝暗点の原因と頭痛がない場合の解説

    閃輝暗点(せんきあんてん)は、突然視界にギザギザ・チカチカした光や模様が現れる現象です。片頭痛の前兆として知られていますが、頭痛がない場合や、重大な疾患が隠れているケースもあります。この記事では、閃輝暗点の原因や注意点、日常生活でできる対策まで、医師監修のもとで詳しく解説します。

    閃輝暗点の原因と頭痛がない場合

     

    閃輝暗点の主な原因と誘発因子

    原因としては

    • 最も多い原因は片頭痛の前兆
    • 脳の後頭葉(視覚野)での異常反応
    • 脳血管の収縮による血流変化

    などがあります。

    誘発する要因としては

    • ストレスや睡眠不足
    • 特定の食品(チョコレート、赤ワイン、カフェインなど)
    • 強い光刺激や生活習慣の乱れ
    • 女性ホルモンの変動、気圧の変化

    などがあり、ほぼ片頭痛の誘発因子に該当します。

    閃輝暗点が起こる仕組み

    脳の血流やセロトニンのバランスが乱れる事で、視覚をつかさどる後頭葉の神経細胞が一時的に異常反応を起こします。その結果、目を閉じていても視界に異常が現れるのが特徴です。

    片頭痛以外の原因と注意が必要なケース

    • 脳梗塞や脳腫瘍など重篤な脳疾患が原因の場合も
    • 高齢者や初めて・頻繁に発症する場合は特に注意
    • 網膜剥離など眼の疾患との区別も重要

    特に「初めて経験した」「症状が長引く・頻繁に起こる」「片目だけに現れる」「手足のしびれや言語障害を伴う」場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

    閃輝暗点が起きた時の対処法

    • 安静にして暗い場所で休む
    • 水分をしっかりとる
    • 運転や危険な作業は避ける
    • 症状が長引く・繰り返す場合は医療機関を受診

    受診の目安と推奨される診療科

    • 初めて発症した場合や症状が頻繁な場合
    • 頭痛や手足のしびれ、言葉が出にくい等の症状を伴う場合
    • 脳神経内科の受診がお勧め

    予防のためにできること

    • 規則正しい生活(充分な睡眠・バランスの良い食事)
    • ストレス管理や適度な運動
    • トリガーとなる食品や状況を把握し、できるだけ避ける

    実際の症例紹介

    症例1

    40代の女性で、元々閃輝暗点を伴う片頭痛がありました。 PCの画面を見ていたところ、視野がチカチカして見えました。しばらく様子を見ていましたが、これまでのように頭痛がなく、脳梗塞など何か脳の病気ではないかと心配になり、横浜脳神経内科を受診しました。

    頭部MRI検査では異常はなく、国際頭痛分類第3版に記載のある「典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの」と診断しました。

    視覚は脳の後頭葉という場所が関係します。したがって、後頭葉に何らかの刺激が加わると閃輝暗点を生じます。

    片頭痛では、最初に皮質拡延性抑制という現象が起き、前兆として閃輝暗点を生じます。

    また、次の症例のように、片頭痛以外にも後頭葉に何らかの疾患がある場合も、視野の異常を生じる事になります。

    症例2

    50代の女性の症例です。 元々視野が欠ける閃輝暗点を伴う片頭痛がありました。ある日、視野が欠けて見えるようになりました。ところが、かつてのように頭痛は出現しませんでした。頭痛がなかったため心配になり、翌日横浜脳神経内科を受診しました。

    念のためMRI検査を行いました。

    閃輝暗点の原因と頭痛がない場合

    左の後頭葉に脳出血を起こしており、救急車で入院していただきました。後頭葉は視覚に関係する場所です。つまり、出血により後頭葉が障害されて生じた視野狭窄と思われました。

    よくある質問(Q&A)

    Q1. 頭痛がない場合は危険ですか?

    A1. 頭痛がない場合、脳の疾患が隠れている事があります。初めての場合や頻繁に起こる場合は、医療機関を受診しましょう。

    Q2. 閃輝暗点が繰り返し起こる場合は?

    A2. 脳疾患の除外のため、一度MRIやCTなどの検査を受けることをお勧めします。

    Q3. どんな検査が必要ですか?

    A3. 眼科的検査や脳の画像検査(MRI・CT)で原因を調べます。

    Q4. 治療法はありますか?

    A4. 閃輝暗点自体に特効薬はありませんが、片頭痛の治療や生活習慣の改善で予防が可能です。

    Q5. 閃輝暗点はどんな人に多いですか?

    A5. 片頭痛を持つ方や、ストレス・睡眠不足・特定の食品摂取が重なると発症しやすく、女性やホルモンバランスが変化しやすい年代の方にも多い傾向があります。

    Q6. 閃輝暗点が起きた時、すぐに受診が必要なケースは?

    A6. 初めて発症した場合、症状が1時間以上続く場合、片目だけに症状が出る場合、手足のしびれ・麻痺・言語障害など他の神経症状を伴う場合は、重大な脳や眼の病気の可能性があるため、早めに脳神経内科を受診してください。

    Q7. 片頭痛の治療薬で閃輝暗点も予防できますか?

    A7. 片頭痛の予防薬によって閃輝暗点の頻度が減ることがあります。発作の頻度や生活への影響が大きい場合は、医師に相談しましょう。

    Q8. 閃輝暗点と似ている症状には何がありますか?

    A8. 一過性脳虚血発作(TIA)、網膜剥離、緑内障発作なども視界の異常を引き起こす事があります。これらは緊急性が高い場合があるため、症状がいつもと違う・急に現れた場合は早めに受診しましょう。

    Q9. 閃輝暗点が頻繁に起こる場合、日常生活で注意することは?

    A9. 睡眠不足やストレス、特定の食品や強い光刺激を避けるよう心がけましょう。発症頻度が高い場合は、生活習慣の見直しとともに一度医療機関で相談し、原因の精査を受ける事をお勧めします。

    まとめ

    閃輝暗点は片頭痛の前兆が最も多いですが、他の重篤な疾患が隠れている場合もあります。症状や発症状況に応じて早めに専門医へ相談しましょう。日々の生活習慣を見直すことも予防に役立ちます。

    参考

    本記事は最新の医学情報をもとに2026年3月1日に更新されています。

    この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。

    理事長 丹羽 直樹
    理事長 丹羽 直樹
    医師紹介ページはこちら
    【資格】
    日本神経学会神経内科専門医・指導医
    日本頭痛学会専門医・指導医
    日本脳卒中学会専門医
    日本内科学会認定内科医
    身体障害者福祉法指定医
    (肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)

    【略歴】
    1988年3月 千葉大学医学部卒業
    1989年10月 松戸市立病院 救急部
    1994年10月 七沢リハビリテーション病院
    2002年4月 沼津市立病院 神経内科
    2002年11月 長池脳神経内科開設
    2012年11月 横浜脳神経内科開設