寝起きの頭痛|原因・対処法・受診の目安を専門医が徹底解説
朝起きたときに頭が痛い…そんな経験はありませんか?この記事では、寝起き頭痛の原因からセルフケア、受診の目安までを専門医が分かりやすく解説します。

寝起き頭痛とは?(概要と特徴)
- ・朝起きた直後に感じる頭痛のこと
- ・一時的なものから慢性的なものまで症状はさまざま
- ・年齢・性別・生活習慣により発症しやすさが異なる
寝起き頭痛の主な原因
- ・睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- ・片頭痛
- ・高血圧
- ・脳腫瘍
- ・睡眠不足・寝過ぎ
- ・枕・寝具の問題
- ・食生活やストレス
原因ごとの詳しい解説・セルフチェックポイント
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 主な症状:いびき、日中の眠気、起床時の頭痛
- セルフチェック:家族にいびきを指摘された、日中の眠気が強い
片頭痛
- 主な症状:ズキズキする痛み、肩こり、光や音に敏感
- セルフチェック:ストレスや寝不足で悪化しやすい
高血圧
- 主な症状:朝の血圧上昇、頭重感、めまい
- セルフチェック:血圧を測ってみる
脳腫瘍などの重大疾患
- 主な症状:激しい頭痛、吐き気、視力障害、麻痺
- セルフチェック:症状が日ごとに悪化、他の神経症状を伴う
その他の要因
- 睡眠不足・寝過ぎ、枕や寝具が合っていない、食べ過ぎ・飲み過ぎ、ストレスなど
危険な頭痛の見分け方と受診の目安
- ・突然の激しい頭痛
- ・手足の麻痺やしびれ
- ・言語障害や意識障害
- ・吐き気や嘔吐、視力障害、高熱を伴う場合
- ・慢性的に毎朝続く、日々悪化する場合
上記の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
寝起き頭痛のセルフケア・予防法
- ・睡眠環境の見直し(枕・寝具・室温・光・音の調整)
- ・規則正しい生活リズムを作る
- ・適度な運動とストレス管理
- ・バランスの良い食事と十分な水分補給
医療機関での検査・治療の流れ
- ・問診・症状のヒアリング
- ・血圧測定・血液検査
- ・頭部CTやMRIなどの画像検査
- ・睡眠検査(SASが疑われる場合)
- ・治療:薬物療法、CPAP、生活指導など
受診先:脳神経内科、頭痛外来
よくある質問(Q&A)
Q1. 市販薬は使っていい?
A1. 一時的な頭痛には有効ですが、長引く場合や強い痛みには医師の診断が必要です。
Q2. 片頭痛との違いは?
A2. ズキズキした痛みや光・音に敏感な場合は片頭痛の可能性があります。
Q3. 何日続いたら病院に行くべき?
A3. 1週間以上続く場合、または日々悪化する場合は受診をおすすめします。
Q4. 生活改善で治るのか?
A4. 多くの場合改善しますが、重大な疾患が隠れていることもあるため注意しましょう。
まとめ・注意喚起
- ・寝起き頭痛は生活習慣の見直しで改善することが多い
- ・危険な症状や長引く場合は早めに医療機関へ相談を
文献
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設