目の奥が痛い原因と頭痛について説明します。

眼精疲労
長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用により、目の筋肉が疲労し、目の奥が痛い原因となる事があります。
眼精疲労を軽減するためには、以下の対策が有効です
定期的な休憩
1時間ごとに2-3分の休憩を取り、目を閉じたり遠くを見る事が推奨されます。
目の周りを温める
温かいタオルやアイマスクを利用して、目の周りの血行を良くする事が効果的です。
目の体操
目を上下左右に動かしたり、まばたきを意識的に行う事で、目の筋肉をリラックスさせる事ができます。
ドライアイ
目の乾燥が進むと、目の表面が傷つき、痛みを引き起こすことがあります。特に、エアコンや暖房の効いた部屋で長時間過ごすと、ドライアイが悪化しやすいです。
照明
明る過ぎる照明は、目に負担を掛けます。したがって、適切な明るさの照明を使用しましょう。LED照明の強過ぎる明かりよりも、暖色系の蛍光灯や電球の方が楽になります。
パソコンやスマートフォンの画面
画面の明るさを調節し、周囲の明るさと差が出過ぎないようにしましょう。ブルーライトカット機能やフィルムを使用すると、目の負担を軽くできます。画面と目の距離を適切に保ち、姿勢を正す事も大切です。
室温と湿度
乾燥した環境は目の乾燥を招き、ドライアイを悪化させます。加湿機などで適切な湿度を保ちましょう。
急性緑内障発作
急性緑内障発作は、眼圧が急激に上昇することで発生し、非常に強い眼の奥の痛みを伴います。また、視力の低下や頭痛、吐き気などの症状も見られることがあります。
失明に繋がりかねない緊急の状態なので、眼科を受診してください。
視神経炎
視神経が炎症を起こすことで、目の奥に痛みを感じる事があります。また、視力の低下や視野の欠損を伴うことが多いです。
自己免疫が関係する神経疾患であり、MRI検査が診断につながります。迅速な治療が必要であり、直ちに脳神経内科を受診してください。
片頭痛
発作的に頭痛を繰り返す疾患で、目の奥が痛い場合があります。片側がズキンズキンと脈打つ場合もあれば、両側の場合やズーンとした痛みの場合もあります。
しばしば吐き気やめまいを伴い、目の前にチカチカと光が見える前兆(閃輝暗点)が起こる場合があります。また、光が眩しいと感じる事があります。目の奥が痛い場合、片頭痛が多くを占めています。
さらに詳しい説明については、片頭痛の症状や眼痛のメカニズムをご参照ください。
群発頭痛
片側の目の奥がえぐられるように痛くなり、夜間や睡眠中に起きる傾向があります。さらに、痛みと同じ側の目の充血や涙、鼻水、汗などを伴います。こうした状態が1ヶ月から2ヶ月の間繰り返して起こります。
詳しい説明は群発頭痛のページをご参照ください
アドバイス
目の奥が痛い原因として、片頭痛や群発頭痛の場合があります。そこで、痛みの範囲や痛み方、痛み以外の症状や悪化する原因を確認してみてください。
上のような対策で改善しない場合、あるいは眼科では異常がなかった場合、頭痛専門医を受診するようお勧めします。横浜脳神経内科では、日本頭痛学会専門医かつ日本神経学会専門医が診療を行っています。
参考
(文責:理事長 丹羽 直樹)