片頭痛と食物アレルギー

片頭痛と食物アレルギーについての考察です。

片頭痛でアレルギーが多い事実

多くの片頭痛の方は、何らかのアレルギーを持っています。喘息、アトピー、花粉症、食物アレルギーなど様々です。花粉症で片頭痛が悪化したり、低気圧の時期に喘息も片頭痛も同時に悪化したりします。

したがって、片頭痛とアレルギーとは、何らかの関連があると推測されます。そこで、今回は頭痛と食物アレルギーについて考察してみました。

 

片頭痛と食物アレルギー

 

小麦(グルテン)の問題

片頭痛と食物アレルギーとの関連を調べた研究があります。1)2)

これらの研究では、食物アレルギーの原因物質(アレルゲン)に対する抗体を測り、陽性となったアレルゲンを取り除いた場合の効果を調べています。

その結果、アレルゲン除去食を続けた方が、通常食の場合よりも片頭痛が減ったとしています。

食物アレルギーを起こす物質として、小麦に含まれるグルテンがあります。グルテンは大腸粘膜の炎症を引き起こし、食物の吸収不良を起こします。片頭痛は鉄欠乏や急激な血糖値の変化で誘発される事があります。したがって、鉄分や糖分の腸からの吸収が妨げられ、片頭痛を悪化させている可能性があります。そこで、グルテンを避けた食生活が片頭痛の改善に役立つと思われます。

また、乳製品に含まれるカゼインも問題となります。日本人の場合、グルテンもカゼインも消化しにくい体質です。したがって、充分に分解・吸収されずアレルギーを起こしやすくなります。

 

ワンポイントアドバイス

外来診療の場面でも、パンやめん類を止めたら片頭痛が減ったという話を聞きます。あらゆる食べ物に使われている小麦。そして、食べていないと思っていても意外に食べている事が多いのも小麦です。一体自分は何を口にしているか、ご自身の食生活を振り返ってみてはいかがでしょうか?

 

文献

 

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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。

理事長 丹羽 直樹
理事長 丹羽 直樹

資格

略歴

  • 1988年3月 千葉大学医学部卒業
  • 1989年10月 松戸市立病院 救急部
  • 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
  • 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
  • 2002年11月 長池脳神経内科開設
  • 2012年11月 横浜脳神経内科開設
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