閃輝暗点は片頭痛の前兆である事がほとんどですが、他の脳の病気で起きる場合もあります。

症例
80代の女性の症例です。
元来頭痛持ちだったものの、ここ15年位は頭痛がなかったそうです。
ある日の事、目の前がチカチカして軽い頭痛が出現したため横浜脳神経内科を受診しました。
症状だけからすると、一見、閃輝暗点を伴う片頭痛のように思われました。
通常、片頭痛は加齢とともに軽くなってくる傾向があります。
この方は、過去片頭痛はあったようですが、15年間頭痛は生じておらず、年齢と経過を考えると典型的ではなく、念のためMRI検査を行いました。
結果、左の後頭葉に脳出血を起こしており、救急車で入院していただきました。後頭葉は視覚に関係する場所であり、出血により脳細胞が刺激されて生じた閃輝暗点と思われます。
高齢で発症した閃輝暗点の場合、脳腫瘍や脳血管障害など、何らかの加齢に伴う疾患を考える必要があります。頭痛を伴わないか、あっても軽い場合もあります。
参考
(文責:理事長 丹羽 直樹)