頭痛がない閃輝暗点

頭痛がない閃輝暗点は片頭痛の部分症状である事がほとんどです。しかし、他の脳の病気で起きる場合もあります。

頭痛がない閃輝暗点

症例

50代の女性の症例です。
元来頭痛持ちだったものの、ここ5年位は頭痛がなかったそうです。
ある日の事、目の前がチカチカしてきたため当院を受診しました。

症状としては片頭痛で見られる閃輝暗点と思われました。

この方は、過去片頭痛はあったようですが、5年間頭痛は生じていません。そこで、片頭痛以外の脳の疾患も考える必要があり、念のためMRI検査を行いました。

後頭葉の脳腫瘍

左の後頭葉に脳出血を起こしており、救急車で入院していただきました。後頭葉は視覚に関係する場所です。したがって、出血により脳細胞が刺激されて生じた閃輝暗点と思われます。

 

患者さんへのアドバイス

頭痛がない閃輝暗点では、脳腫瘍や脳血管障害など、何らかの脳の疾患を考える必要があります。頭痛を伴わないか、あっても軽い場合もあります。念のため、画像検査のできる医療機関を受診してください。

参考

  1. 閃輝暗点 – 徳島県医師会Webサイト

(文責:理事長 丹羽 直樹

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