頭痛に効くツボ|タイプ別セルフケアと正しい押し方・注意点
つらい頭痛に悩んでいませんか?薬に頼らず手軽にできるセルフケアとして「ツボ押し」が注目されています。この記事では、頭痛のタイプ別に効くツボや正しい押し方、注意点まで分かりやすく解説します。

頭痛に効くツボとは?
頭痛のセルフケアとしてツボ押しは有効です。特に薬が効かない、使いたくない方、妊娠中や授乳中の方にもおすすめです。 ツボを適切に押すことで、痛みの緩和やリラックス効果が期待できます。
頭痛の主なタイプと特徴
片頭痛
- ・ズキズキと脈打つ痛み
- ・光や音に敏感になることが多い
緊張型頭痛
- ・頭全体が締め付けられるような鈍い痛み
- ・肩こりや首のこりを伴うことが多い
群発頭痛
- ・目の奥をえぐられるような激しい痛み
- ・発作的に起こる
危険な頭痛(二次性頭痛)に注意
- ・突然の激しい痛み、手足のしびれ、発熱などを伴う場合はすぐ医療機関へ
頭痛に効くツボ

印堂(いんどう):額の真ん中。パソコンを見過ぎて目の奥が痛い時などに有効です。
頷厭(がんえん):こめかみのやや上で、髪の生え際。目の疲れを伴う時に効果的です。
太陽(太陽):こめかみのくぼみ部分で、押すとやや痛みを感じます。めまいを伴う片頭痛に有効です。
百会(ひゃくえ):頭頂部の真ん中。リラックス効果があります。そこで、ストレスによる頭痛に効果的です。
天柱(てんちゅう):首の後ろ、髪の生え際から指2本分下。肩こりや首の痛みに効果があります。
風池(ふうち):天柱の外側のくぼんでいる部分。肩こりを伴う片頭痛に効果的です。
肩井(けんせい):首の付け根と肩の先を結んだ中間の位置。肩こりや首の痛みに効果的。
ツボの押し方
- ・指の腹で「気持ちいい」と感じる強さで3~5秒かけて押し、ゆっくり離す
- ・1か所につき3~5回を目安に
- ・押しすぎないことが大切です
頭痛タイプ別:おすすめツボとセルフケア方法
片頭痛におすすめ
- ・太陽、百会、印堂
- ・ツボ押し+こめかみを冷やして安静に
緊張型頭痛におすすめ
- ・天柱、風池、肩井
- ・ツボ押し+首や肩を温める、ストレッチ
目の疲れ・肩こり・ストレス由来の頭痛
- ・印堂、百会、肩井
ツボ療法のメカニズムとエビデンス
- ・ツボ押しや鍼灸治療は、痛みの伝達を抑制し、脳内物質(内因性オピオイドなど)を活性化することで鎮痛効果を発揮します。
- ・海外の研究でも、片頭痛に対する鍼灸治療の有効性が報告されています。
- ・薬が使えない方、薬の副作用が心配な方にも適しています。
ツボ押し以外のセルフケアと注意点
- ・睡眠・食事・ストレス管理も重要
- ・片頭痛は冷やす、緊張型頭痛は温めるのが基本
- ・頭痛が長引く、急激に悪化する、他の症状(しびれ・発熱など)がある場合は必ず医療機関を受診
まとめ:ツボ押しを安全に日常に取り入れるコツ
ツボ押しは手軽にできるセルフケアですが、無理せず「気持ちいい」と感じる範囲で行いましょう。つらい頭痛が続く場合や、セルフケアで改善しない場合は早めに専門医へ相談してください。
引用文献
- ・山口 智, 井畑 真太朗. 頭痛に対する鍼灸治療の効果とその作用機序. 神経治療,41:373―376, 2024.
- ・鳥海 春樹, 海老根 妙子, 黒井 俊哉, 柴田 護, 清水 利彦, 鈴木 則宏. 頭痛専門診療における鍼灸併用の可能性. 臨床神経,52:1297―1298, 2012.
- ・間中 信也. 頭痛診療ツールとしての鍼灸技法の応用. 臨床神経,52:1299―1302, 2012.
- ・厚生労働省|Arterial spin labeling MRI を用いた鍼刺激が片頭痛患者の脳血流に及ぼす影響― 片頭痛に対する鍼治療の作用機序―
- ・Yu-Xi Li, Xi-li Xiao, Dong-Ling Zhong, Liao-Jun Luo, Han Yang, Jun Zhou, Ming-Xing He, Li-Hong Shi, Juan Li, Hui Zheng, Rong-Jiang Jin. Effectiveness and Safety of Acupuncture for Migraine: An Overview of Systematic Reviews. Pain Res Manag. 2020 Mar 23:2020:3825617.
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設
