緊張型頭痛について説明します。

一般に、緊張型頭痛は最も一般的な頭痛で、一次性頭痛の中で最も多いとされています。
緊張型頭痛の症状
症状は、主に次の通りです。
- ・鈍痛や締め付けられるような痛み
- ・後頭部から首にかけての圧迫感
- ・痛みは軽度から中等度で、日常生活に支障をきたす事はない
- ・吐き気や嘔吐は伴わない
- ・数時間から数日間続き、毎日のように症状が現れる事もある
緊張型頭痛の原因
原因は身体的ストレスと精神的ストレスで、例として、次のような場合が考えられています。
- 身体的ストレス:長時間パソコンを見ていて、首や肩の筋肉が緊張して血行が悪くなる。
- 精神的ストレス:環境の変化や仕事、対人関係による精神的な緊張。
ただし、こうした原因がどのようなメカニズムで緊張型頭痛を発症するのかは不明です。
緊張型頭痛の治療と対策
緊張型頭痛の治療法は以下のように分けられます。
急性期の治療:鎮痛剤(アセトアミノフェンやNSAIDs)が用いられます。
予防療法:頻発する場合には筋弛緩薬や抗うつ薬などが推奨される事があります。また、生活習慣の見直しやストレッチ、マッサージなどが推奨されます。
特に、正しい姿勢を心がけ、仕事の合間にこまめに休憩を取って、筋肉の緊張を軽減させる事が効果的とされます。また、頭痛日記をつける事で、発作の頻度や誘因を把握し、効果的な対策を見つける手助けにもなります。
当院の見解
ここで、両者の比較をしてみましょう。

この2つの頭痛には、共通点が多い事にお気づきでしょうか?
片頭痛ではかなりメカニズムが研究され分かっていますが、緊張型頭痛ではそれがありません。
当院の経験では、これまで緊張型頭痛とされてきた患者さんが片頭痛の治療で改善した例がきわめて多いのです。また、ストレートネックによる肩こりが原因と診断されるケースが見られます。しかし、首の骨(頚椎)が真っ直ぐだから頭痛を起こすという根拠は、文献を調べた限りでは見あたりません。
当院では、緊張型頭痛と片頭痛とは連続した1つの疾患であると考えます。つまり、異なる時期を捉えているだけに過ぎないという事です。
横浜脳神経内科では、日本頭痛学会専門医、日本神経学会専門医が診療を行っています。お困りの方はご相談ください。
参考
(文責:理事長 丹羽 直樹)