PMSと頭痛

PMSと頭痛の関係について説明します。

PMSと頭痛

PMS(premenstrual syndrome:月経前症候群)は、月経前に現れる身体的および精神的な不調です。中でも、頭痛は非常に一般的な症状の一つで、その正体は片頭痛です。PMSによる頭痛は、特に生理前の黄体期に見られ、女性ホルモンの変動が大きく影響しています。

 

片頭痛の特徴としくみ

片頭痛は、脳の血管の収縮と拡張によって生じ、脈打つ強い痛みが多く、吐き気や嘔吐を伴う場合があります。特に、片頭痛の発作中は、光や音に敏感になる事もあります。

 

PMS頭痛の原因

生理周期における女性ホルモン、特にエストロゲンの減少が、PMSに伴う片頭痛の主な原因とされています。エストロゲンは生理周期中に変動し、特に生理前後に急激に減少します。このエストロゲンの減少により、脳内のセロトニンという物質も減少し、これが脳血管の拡張を引き起こして片頭痛を生じます。

PMSと頭痛

 

治療と対策

PMSの頭痛を軽減するためには、いくつかのアプローチがあります。

生活習慣の改善

規則正しい生活を心がけ、充分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけましょう。

ストレス管理

瞑想や深呼吸、ヨガなどリラックスするための方法もお勧めです。精神的な緊張を減少させ、頭痛の発生頻度を下げる可能性があります。

サプリメントの活用

マグネシウムやビタミンB2などのサプリメントを摂取する事が推奨されます。これらは神経伝達物質のバランスを整えて片頭痛を予防する作用があります。また、月経の時期に生じる貧血が片頭痛を起こしやすくするため、鉄分を摂るようにしましょう。

医療機関への相談

頭痛が重い場合や日常生活に支障が出る場合は、脳神経内科を受診してください。PMSの症状が強い場合、婦人科でホルモン補充療法が用いられる場合があります。しかし、逆に片頭痛が悪化する場合もあります。特に、閃輝暗点など前兆のある片頭痛では脳梗塞発症のリスクがあるため禁忌となっています。

横浜脳神経内科では、日本頭痛学会専門医日本神経学会専門医が診療を行っています。お困りの方はご相談ください。

 

参考

 

(文責:理事長 丹羽 直樹

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