頭を振ると痛い原因と対処法|医師が解説する受診目安
結論:頭を振ると痛い時の主な原因と受診の目安
頭を振ると痛みを感じる場合、片頭痛や筋肉の緊張、姿勢の悪さが主な原因です。ただし、「手足のしびれ」「激しい痛み」「発熱や意識障害」などがある場合は、重大な病気の可能性もあるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

主な原因と特徴
片頭痛
- ・ズキズキとした痛みが片側または両側に出る
- ・頭を振る・体を動かすと痛みが強くなる
- ・吐き気や光・音に敏感になる事もある
- ・安静にすると楽になるが、症状が強い場合は専門医受診を
筋肉や姿勢の問題(緊張型頭痛・後頭神経痛など)
- ・長時間のデスクワークやスマホ操作で首・肩がこる
- ・首や後頭部に重だるさやズキッとした痛み
- ・姿勢改善やストレッチで軽減する事が多い
脳卒中
- ・「突然の激しい頭痛」「手足の麻痺やしびれ」「言葉が出にくい」などがある場合は要注意
- ・くも膜下出血、脳出血、脳梗塞など重大な疾患の可能性
髄膜炎・脳炎
- ・「発熱・嘔吐・意識障害」などがある場合は要注意
- ・髄膜炎、脳炎など後遺症が残る重大な疾患の可能性
危険な症状と受診の目安
以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- ・今までに経験した事のない激しい頭痛
- ・頭痛と同時に手足のしびれや麻痺がある
- ・吐き気、嘔吐、発熱、意識障害がある
- ・痛みが急激に悪化する、または数日続く
【受診先の目安】
- 頭痛外来、脳神経内科
自分でできる対処法・予防策
- ・安静にして、無理に頭を動かさない
- ・片頭痛の場合は暗い部屋で休む
- ・筋肉のこりが原因の場合は、首や肩のストレッチ・姿勢改善
- ・痛みが強いときは患部を冷やす/慢性的なこりには温める
- ・規則正しい生活・充分な睡眠・適度な運動を心がける
よくある質問(Q&A)
Q1. 頭を振ると痛いのはどんな病気のサインですか?
A1. 片頭痛、緊張型頭痛、後頭神経痛、首や肩の筋肉のこりが多いですが、まれに脳卒中や髄膜炎など重大な病気のサインの場合もあります。痛みの強さや他の症状も確認しましょう。
Q2. どんな時に様子見でよく、どんなときに受診が必要ですか?
A2. 軽い痛みで、他に異常がなければセルフケアで様子を見ても構いません。ただし「今までにない激しい痛み」「しびれ・麻痺」「発熱・嘔吐・意識障害」などがあれば、すぐに受診しましょう。
Q3. 頭を振ると痛い場合、市販薬を飲んでも大丈夫ですか?
A3. 軽度の片頭痛や筋肉のこりが原因の場合、市販の鎮痛薬を短期間使うのは問題ありません。ただし、効果がない・症状が悪化する・長引く場合は医師に相談してください。
Q4. ストレッチや温め・冷やしはどのように使い分ければいいですか?
A4. 筋肉のこりや慢性的な痛みには温めるのが効果的です。急な痛みや炎症を感じる場合は冷やすと良いでしょう。無理なストレッチや過度な温熱・冷却は避けてください。
Q5. 片頭痛と他の頭痛はどう見分ければいいですか?
A5. 片頭痛はズキズキとした拍動性の痛みで、光や音、動作で悪化しやすく、吐き気を伴う事も多いです。緊張型頭痛は頭全体が締め付けられるような重い痛みが特徴です。
Q6. 受診時にどんな検査や治療が行われますか?
A6. 症状や経過に応じて、問診・神経学的診察・画像検査(MRIやCT)・血液検査などが行われます。原因に応じて薬の処方やリハビリ、必要なら専門科への紹介もあります。
Q7. 予防のために日常生活で気をつけるこ事は?
A7. 姿勢の改善、長時間同じ姿勢を避ける、適度な運動やストレッチ、充分な睡眠、ストレス管理、首や肩を冷やさない事などが予防に役立ちます。
参考
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設
