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頭痛の疾患・症例

  • 性行為で頭痛

    性行為で頭痛が起きる?原因・対策・受診の目安を解説

    性行為や自慰行為の最中や直後に頭痛を感じたことはありませんか?この症状は男女問わず誰にでも生じる可能性があり、不安に感じる方も多いでしょう。この記事では、性行為時の頭痛の種類や危険性、対策や治療法、受診の目安まで詳しく解説します。

     

    性行為で頭痛

     

    性行為で起こる頭痛の種類

    1. 性行為に伴う一次性頭痛

    性行為や自慰行為の際にのみ発症する頭痛で、医学的には「性行為に伴う一次性頭痛」と呼ばれます。

    国際頭痛分類第3版では、以下の診断基準となっています。

    • A. B〜Dを満たす頭部または頸部(あるいはその両方)の痛みが2回以上ある。
    • B. 性行為中にのみ誘発されて起こる。
    • C. 以下の1項目以上を認める。
    •  ①性的興奮の増強に伴い、痛みの強さが増大。
    •  ②オルガスム直前か、あるいはオルガスムに伴い突発性で爆発性の強い痛み。
    • D. 重度の痛みが1分〜24時間持続、または軽度の痛みが72時間まで持続。(あるいはその両方)
    • E. ほかに最適なICHD-3の診断がない。

    問題はEの部分で、何らかの脳の疾患が存在しない事が重要です。

    2. 片頭痛

    脳血管の拡張で生じるズキズキと脈打つような強い痛みで、吐き気を伴うことがあります。性行為により脳血流が増えることで悪化する場合があります。

    3. くも膜下出血

    突然に、これまで経験した事のないような後頭部の激しい痛みで発症します。吐き気や嘔吐、けいれんなどを伴う事もあります。脳動脈瘤という、脳の血管にできたコブが破裂して生じます。最悪突然死もあり得る疾患です。性行為で頭痛が起きた場合、最も危険な原因です。

    4. 脳出血

    高血圧などにより、脳動脈が切れて発症します。手足の麻痺やしびれ、言葉が出にくいなどの症状が出る事があります。

    5. 椎骨動脈解離

    脳動脈の血管壁が裂けてヒビが入り、その隙間に血液が流れ込んで生じる脳動脈解離という状態があります。日本人では、椎骨動脈という首から後頭部へ上がっていく部分に多く、椎骨動脈解離と言われます。1-2ヶ月間で自然治癒する事がほとんどですが、悪化した場合にはくも膜下出血や脳梗塞を起こす危険があります。

    6. 可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)

    脳動脈が収縮を起こして激しい頭痛をきたす状態です。性行為が原因となる場合以外に、息を止めて力を入れる動作や運動などでも生じます。交感神経系が過剰な状態となるため、血圧が上がる事もあります。また、脳梗塞やくも膜下出血を合併する場合もあります。元々片頭痛のある方に起きやすい傾向があります。

     

    1〜2は一次性頭痛(他に病気がない頭痛)ですが、3〜6はいずれも脳血管に原因がある二次性頭痛で、元の疾患の治療が必要です。突然の激しい頭痛、吐き気や嘔吐、手足の麻痺、意識障害などを伴うことが多く、緊急の対応が必要です。

     

    性行為頭痛の診断と受診の目安

    性行為時の頭痛は自己判断が難しく、危険な疾患が隠れている場合もあります。特に以下のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

    • 初めて経験する激しい頭痛
    • 今までにないタイプの痛み
    • 吐き気、嘔吐、手足のしびれや麻痺、意識障害などを伴う
    • 痛みが繰り返し起こる

    診断にはMRIやCTなどの画像検査が重要です。専門医の診察を受け、危険な疾患がないかしっかり確認しましょう。

     

    治療法と対策

    一次性頭痛の場合

    一次性頭痛と診断された場合は、鎮痛薬や、発作予防薬が用いられることがあります。生活習慣の見直しや、ストレス・疲労の軽減、性行為前のリラックスも予防に役立ちます。

    二次性頭痛の場合

    くも膜下出血や脳出血、椎骨動脈解離などが疑われる場合は、緊急治療や手術が必要となることがあります。早期の受診と治療が命を守るカギです。

     

    よくある質問(Q&A)

    性行為時の頭痛について、よくいただくご質問とその回答をまとめました。不安な点がある方は参考にしてください。

    Q1. 性行為のたびに頭痛が起きます。毎回受診した方がいいですか?

    A1. 毎回強い頭痛が起きる場合や、これまでに経験したことのない激しい痛みがある場合は、必ず一度は医療機関を受診してください。特に初回や、症状が変化した場合は注意が必要です。危険な疾患が否定された後は、医師と相談しながら対策を考えていきましょう。

    Q2. 恥ずかしくて病院で相談しにくいです…

    A2. 性行為に伴う頭痛は決して珍しいものではありません。恥ずかしがらず、症状やタイミングをメモして受診時に医師へ伝えましょう。医療機関ではプライバシーに配慮して診察が行われます。

    Q3. 女性でも性行為頭痛は起こりますか?

    A3. はい、女性でも性行為やオーガズムの際に頭痛が起こることがあります。男女問わず発症する可能性があるため、気になる症状があれば受診してください。

    Q4. どんな検査を受けることになりますか?

    A4. 症状や経過を詳しく聞いたうえで、頭部のMRIやCTなどの画像検査が行われることが一般的です。また、必要に応じて血液検査や神経学的検査も追加されます。

    Q5. 性行為頭痛は自然に治ることもありますか?

    A5. 一次性頭痛の場合は、再発を繰り返しながらも自然に治るケースが多いです。ただし、症状が続く場合や悪化する場合は、再度医師に相談しましょう。

     

    まとめ

    性行為時の頭痛は、軽いものから命に関わるものまで様々です。そこで、自己判断せず、少しでも不安があれば必ず頭痛外来や脳神経内科を受診しましょう。早めの検査と適切な対策が、安心と健康につながります。

     

    文献

     

    この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。

    理事長 丹羽 直樹
    理事長 丹羽 直樹
    【資格】
    日本神経学会神経内科専門医・指導医
    日本頭痛学会専門医・指導医
    日本脳卒中学会専門医
    日本内科学会認定内科医
    身体障害者福祉法指定医
    (肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)

    【略歴】
    1988年3月 千葉大学医学部卒業
    1989年10月 松戸市立病院 救急部
    1994年10月 七沢リハビリテーション病院
    2002年4月 沼津市立病院 神経内科
    2002年11月 長池脳神経内科開設
    2012年11月 横浜脳神経内科開設