
1. なぜ頭を振ると痛いのか?主な5つの原因
頭を動かしたり、振動が加わったりすると痛む場合、脳や神経、あるいは鼻の奥で炎症が起きている可能性があります。当院(横浜脳神経内科)の過去10年以上の診療実績に基づき、頻度の高い順に解説します。① 片頭痛(Migraine)
頭を振ると痛む原因として、最も多くの割合を占めます。 片頭痛は「脳の血管が拡張し、神経が過敏になる」病気であるため、階段の上り下りや、頭を振る動作でズキズキとした痛みが悪化するのが最大の特徴です。- 当院での確定診断数: 16,175例
- 特徴: 光や音に敏感になる、吐き気を伴うことが多い。
② 副鼻腔炎(蓄膿症)
風邪の後に多く見られます。頬やおでこの奥にある空洞(副鼻腔)に膿がたまり、頭を振ったり下を向いたりすると、圧力の変化で顔の奥や頭全体に響くような痛みを感じます。- 特徴: 黄色い鼻水が出る、鼻づまり、頬を押すと痛い。
③ 後頭神経痛
首の筋肉の凝りや神経の圧迫により、頭皮の神経が過敏になっている状態です。 首を動かした瞬間や、髪の毛に触れた瞬間に「ピリッ」「ズキッ」とした鋭い痛みが走ります。④ 髄膜炎(Meningitis)【※危険】
脳を包んでいる膜(髄膜)にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。 頭を振ると耐え難いほどの強い痛みが生じます。「風邪だと思っていたら髄膜炎だった」というケースもあるため、見逃してはならない病気です。⑤ 脳腫瘍・脳出血
頻度は低いですが、脳の中に腫瘍や出血があり「頭蓋内圧(脳内の圧力)」が高まっていると、振動で痛みが増強することがあります。2. 【医学的根拠あり】危険な「髄膜炎」を10秒でチェックする方法
「ただの頭痛なのか、危険な髄膜炎なのか」を自分である程度見分ける方法として、救急現場でも使われる「Jolt Accentuation(ジョルト・アクセントゥエーション)」という身体所見があります。Jolt Accentuation のやり方
- リラックスして正面を向きます。
- 首を左右に、1秒間に2~3回の速さで「イヤイヤ」をするように振ります。
- この動作で頭痛が明らかに悪化する場合は「陽性」です。

このチェックの信頼性は?
この試験の感度(病気がある人を正しく「陽性」と判定する確率)は、97%以上と報告されています。 (出典:Uchihara T, et al. Headache. 1991 – “Jolt accentuation of headache: the most sensitive sign of CSF pleocytosis.”) つまり、医学的には「頭を振っても痛みが強くならないなら、髄膜炎の可能性はかなり低い」と判断する重要な根拠となります。 ※ただし、100%ではないため、不安な場合は必ず医師の診察を受けてください。3. すぐに受診すべき「危険なサイン」
以下の症状が1つでもある場合は、市販薬で様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。- Jolt Accentuation が陽性である(頭を振ると痛みが悪化する)
- 37.5度以上の発熱を伴っている
- 首の後ろが硬い(項部硬直:仰向けで寝て、膝を伸ばしたまま頭を持ち上げようとすると、首が硬くて顎が胸につかない)
- 意識がぼんやりする、けいれんがある
- これまで経験したことのない激しい頭痛(雷鳴頭痛)
4. 横浜脳神経内科の診断アプローチ
「頭を動かすと痛い」という訴えに対し、当院ではMRI/CTなどの画像検査だけでなく、上記のような身体診察を丁寧に行った上で診断します。 特に、一般的な頭痛と間違われやすく、専門的な鑑別が必要なのが「可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)」です。| 疾患名 | 当院の診断実績 | 特徴 |
|---|---|---|
| 片頭痛 | 16,175例 | 振動で悪化。予防薬で劇的に改善します。 |
| RCVS (可逆性脳血管攣縮症候群) | 3,624例 | 雷が落ちたような頭痛。いきみや動作で悪化するため髄膜炎と誤診されやすいですが、当院が得意とする分野です。 |
よくある質問(FAQ)
Q. 頭を振ると痛いですが、熱はありません。大丈夫でしょうか?
A. 熱がない場合、髄膜炎の可能性は低くなります。最も可能性が高いのは「片頭痛」や「後頭神経痛」です。ただし、数日続いたり痛みが強まったりする場合は受診をお勧めします。Q. 子供が頭を振ると痛がります。何科に行くべきですか?
A. 発熱がある場合は小児科へ、熱がなく頭痛を繰り返す場合は小児頭痛に詳しい脳神経外科・脳神経内科への受診を推奨します。頭を振ると痛い原因と対処法|医師が解説する受診目安
この記事の結論
頭を振ると痛い場合、最も多い原因は片頭痛や副鼻腔炎(蓄膿症)です。しかし、発熱を伴う場合は、命に関わる髄膜炎の可能性があるため注意が必要です。 簡易検査Jolt Accentuation(ジョルト・アクセントゥエーション)を行い、痛みが悪化する場合や、首が硬くて動かせない場合は、速やかに脳神経内科を受診してください。

1. なぜ頭を振ると痛いのか?主な5つの原因
頭を動かしたり、振動が加わったりすると痛む場合、脳や神経、あるいは鼻の奥で炎症が起きている可能性があります。当院(横浜脳神経内科)の過去10年以上の診療実績に基づき、頻度の高い順に解説します。① 片頭痛(Migraine)
頭を振ると痛む原因として、最も多くの割合を占めます。 片頭痛は「脳の血管が拡張し、神経が過敏になる」病気であるため、階段の上り下りや、頭を振る動作でズキズキとした痛みが悪化するのが最大の特徴です。- 当院での確定診断数: 16,175例
- 特徴: 光や音に敏感になる、吐き気を伴うことが多い。
② 副鼻腔炎(蓄膿症)
風邪の後に多く見られます。頬やおでこの奥にある空洞(副鼻腔)に膿がたまり、頭を振ったり下を向いたりすると、圧力の変化で顔の奥や頭全体に響くような痛みを感じます。- 特徴: 黄色い鼻水が出る、鼻づまり、頬を押すと痛い。
③ 後頭神経痛
首の筋肉の凝りや神経の圧迫により、頭皮の神経が過敏になっている状態です。 首を動かした瞬間や、髪の毛に触れた瞬間に「ピリッ」「ズキッ」とした鋭い痛みが走ります。④ 髄膜炎(Meningitis)【※危険】
脳を包んでいる膜(髄膜)にウイルスや細菌が感染して炎症を起こす病気です。 頭を振ると耐え難いほどの強い痛みが生じます。「風邪だと思っていたら髄膜炎だった」というケースもあるため、見逃してはならない病気です。⑤ 脳腫瘍・脳出血
頻度は低いですが、脳の中に腫瘍や出血があり「頭蓋内圧(脳内の圧力)」が高まっていると、振動で痛みが増強することがあります。2. 【医学的根拠あり】危険な「髄膜炎」を10秒でチェックする方法
「ただの頭痛なのか、危険な髄膜炎なのか」を自分である程度見分ける方法として、救急現場でも使われる「Jolt Accentuation(ジョルト・アクセントゥエーション)」という身体所見があります。Jolt Accentuation のやり方
- リラックスして正面を向きます。
- 首を左右に、1秒間に2~3回の速さで「イヤイヤ」をするように振ります。
- この動作で頭痛が明らかに悪化する場合は「陽性」です。

このチェックの信頼性は?
この試験の感度(病気がある人を正しく「陽性」と判定する確率)は、97%以上と報告されています。 (出典:Uchihara T, et al. Headache. 1991 – “Jolt accentuation of headache: the most sensitive sign of CSF pleocytosis.”) つまり、医学的には「頭を振っても痛みが強くならないなら、髄膜炎の可能性はかなり低い」と判断する重要な根拠となります。 ※ただし、100%ではないため、不安な場合は必ず医師の診察を受けてください。3. すぐに受診すべき「危険なサイン」
以下の症状が1つでもある場合は、市販薬で様子を見ずに、すぐに医療機関を受診してください。- Jolt Accentuation が陽性である(頭を振ると痛みが悪化する)
- 37.5度以上の発熱を伴っている
- 首の後ろが硬い(項部硬直:仰向けで寝て、膝を伸ばしたまま頭を持ち上げようとすると、首が硬くて顎が胸につかない)
- 意識がぼんやりする、けいれんがある
- これまで経験したことのない激しい頭痛(雷鳴頭痛)
4. 横浜脳神経内科の診断アプローチ
「頭を動かすと痛い」という訴えに対し、当院ではMRI/CTなどの画像検査だけでなく、上記のような身体診察を丁寧に行った上で診断します。 特に、一般的な頭痛と間違われやすく、専門的な鑑別が必要なのが「可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)」です。| 疾患名 | 当院の診断実績 | 特徴 |
|---|---|---|
| 片頭痛 | 16,175例 | 振動で悪化。予防薬で劇的に改善します。 |
| RCVS (可逆性脳血管攣縮症候群) | 3,624例 | 雷が落ちたような頭痛。いきみや動作で悪化するため髄膜炎と誤診されやすいですが、当院が得意とする分野です。 |