女性の頭痛と吐き気の原因|セルフチェック・対処法・受診目安
「頭痛と吐き気がつらい…」「生理前後や更年期に頭痛が増えた」「どんな時に病院へ行くべき?」そんな女性の悩みに、原因からセルフケア、受診の目安まで、分かりやすく解説します。

【セルフチェック】あなたの頭痛・吐き気はどのタイプ?
- ・突然、今までにない強い頭痛がある
- ・頭痛と同時に吐き気や嘔吐が強い
- ・手足のしびれや麻痺、言葉が出にくい
- ・発熱や意識障害がある
- ・生理前後やストレス時に頭痛・吐き気が増える
- ・市販薬が効かなくなってきた
上記のうち、赤字の症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。
女性に多い頭痛と吐き気の原因
1. 片頭痛(偏頭痛)
ズキズキとした強い痛みが特徴。女性はホルモン変動(月経・排卵・更年期)と関連しやすく、吐き気や光・音過敏を伴う事もあります。
2. 緊張型頭痛
頭全体が締め付けられるような痛み。肩こりやストレス、長時間の同じ姿勢が原因。慢性的なだるさを感じる事もあります。
3. 危険な頭痛(くも膜下出血・脳出血・髄膜炎など)
突然の激しい頭痛、意識障害、麻痺、発熱、嘔吐などを伴う場合は、重大な病気の可能性があります。すぐに受診をしてください。
3. 危険な頭痛(くも膜下出血・脳出血・髄膜炎など)
突然の激しい頭痛、意識障害、麻痺、発熱、嘔吐などを伴う場合は、重大な病気の可能性があります。すぐに受診をしてください。
4. 女性特有のライフステージと頭痛
突然の激しい頭痛、意識障害、麻痺、発熱、嘔吐などを伴う場合は、重大な病気の可能性があります。すぐに受診をしてください。
- 生理・PMS:ホルモン低下時に片頭痛が増加。PMSでも頭痛・吐き気が出やすい。
- 妊娠・授乳:妊娠中は頭痛が軽減する人もいますが、急な強い頭痛は要注意。
- 更年期:ホルモンバランスの乱れで頭痛・吐き気が増える事もあります。
頭痛タイプ別の特徴表
| 片頭痛 | 脈打つような拍動性の痛み。動くと悪化しやすい。 | 片側が多いが両側の事もある。 | 4〜72時間。 | 悪心・嘔吐、光・音過敏、匂いに敏感。前兆が出る事も。 | 睡眠不足、ストレス、ホルモン変動、気圧変化、強い光や匂い。 |
|---|---|---|---|---|---|
| 緊張型頭痛 | 締めつけられるような圧迫感・鈍痛。 | 頭全体、後頭部、こめかみ、首。 | 30分〜数日(慢性化すると長期間)。 | 肩こり・首こり、軽いめまい。 | 姿勢不良、長時間作業、目の疲れ、精神的ストレス。 |
| 群発頭痛 | 目をえぐられるような激痛。非常に強い。 | 片側の目の奥(必ず片側)。 | 15〜180分。群発期は毎日同じ時間帯に出現。 | 目の充血・流涙、鼻水・鼻づまり、落ち着かず動き回る。 | アルコール、喫煙、季節性(春・秋)、睡眠リズムの乱れ。 |
日常でできる予防・セルフケア
- ・規則正しい生活・充分な睡眠・バランスの良い食事
- ・ストレスをためない、リラックス法(深呼吸・ストレッチ)
- ・片頭痛時は静かな暗い部屋で休み、痛む側の首を冷やす
- ・緊張型頭痛は首・肩を温め、軽い運動やマッサージも有効
- ・頭痛ダイアリーで症状・誘因を記録し、医師に相談
市販薬・受診の目安
- ・市販薬は用法・用量を守り、月10日以上の連用は避ける
- ・薬が効かない、頭痛が悪化する、吐き気・麻痺・発熱を伴う場合は必ず受診
- ・妊娠・授乳中は医師に相談の上で薬を使用
よくある質問(Q&A)
Q1. 女性の頭痛と吐き気はなぜ多いのですか?
A1. 女性は月経周期やホルモンバランスの変化、ストレス、生活習慣の影響を受けやすく、特にエストロゲンの変動が片頭痛や吐き気の発症に関与しています。生理前後や更年期、妊娠中など、ライフステージごとに症状が出やすくなるのが特徴です。
Q2. どんな頭痛や吐き気が危険ですか?
A2. 突然発症した激しい頭痛、意識障害、手足の麻痺やしびれ、言語障害、高熱や首の痛みを伴う場合は、脳出血やくも膜下出血、髄膜炎などの重大な病気の可能性があります。すぐに医療機関を受診してください。
Q3. 頭痛と吐き気がある時、市販薬を飲んでも大丈夫ですか?
A3. 片頭痛や緊張型頭痛の場合、市販の鎮痛薬で症状が和らぐ事もあります。ただし、薬を月に10日以上使っている場合や、薬が効かなくなってきた場合は薬物乱用頭痛のリスクがあるため、専門医にご相談ください。
Q4. 生理のたびに頭痛と吐き気がひどいのですが、どうすればいいですか?
A4. 月経時片頭痛やPMSが原因の可能性があります。頭痛ダイアリーで症状のタイミングや重さを記録し、婦人科や頭痛外来で相談しましょう。ホルモン療法や予防薬、生活習慣の見直しが効果的な場合もあります。
Q5. 受診のタイミングはいつが良いですか?
A5. セルフケアで改善しない場合、症状が頻繁に繰り返す場合、または危険なサイン(突然の激しい頭痛、麻痺、意識障害など)がある場合は、早めに頭痛外来や脳神経内科を受診しましょう。日常生活に支障が出ている場合も我慢せず相談してください。
まとめ
女性の頭痛と吐き気は、ホルモンや生活習慣、ストレスなど様々な要因が関係します。セルフケアで改善しない、または危険な症状がある場合は医療機関の受診を。日常生活の工夫と早めの相談で、快適な毎日を目指しましょう。
参考
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この記事は横浜脳神経内科医師が書いています。
資格
- 日本神経学会神経内科専門医・指導医
- 日本頭痛学会専門医・指導医
- 日本脳卒中学会専門医
- 日本内科学会認定内科医
- 身体障害者福祉法指定医
(肢体不自由、平衡機能障害、音声機能・言語機能障害、そしゃく機能障害、膀胱直腸機能障害)
略歴
- 1988年3月 千葉大学医学部卒業
- 1989年10月 松戸市立病院 救急部
- 1994年10月 七沢リハビリテーション病院
- 2002年4月 沼津市立病院 神経内科
- 2002年11月 長池脳神経内科開設
- 2012年11月 横浜脳神経内科開設
