まぶたのけいれんの原因と治療について説明します。

まぶたのけいれんの種類
眼瞼ミオキミア
多くの場合はこの状態で、病気というより生理的な状態です。したがって、自然に治る事がほとんどです。
症状
まぶたの一部(特に下まぶた)が一時的にピクピクする。
特徴
- ・目は普通に開ける事ができる。
- ・数分〜数時間で自然に治まることが多い。
- ・数日〜数週間程度で完全に治る。
原因
睡眠不足、ストレス、疲労、眼精疲労など。
眼瞼けいれん
症状
両側のまぶたが閉じてしまう状態となります。さらに、まぶたが開けにくくなります。
特徴
- ・光を眩しく感じる。
- ・進行すると、目が開けられなくなり、実質失明同様の状態となる。
原因
脳の神経回路の異常で起こります。
片側顔面けいれん
症状
顔の片側の筋肉がけいれんする。
特徴
- ・片方のまぶたから始まり、次第に頬や口元にも拡がる。
- ・片側だけに症状が出る。
原因
脳から出た顔面神経が、血管(主に動脈)に圧迫されて生じます。
診断
主に診察所見で診断します。ただし、片側顔面けいれんの場合、MRI検査で確認できます。
下の図は、MRI検査で左側の顔面神経を動脈が圧迫している状態です。

治療
眼瞼ミオキミア
多くは自然治癒します。したがって、特別な治療は必要ありません。
眼瞼けいれん
主に薬を使う治療となります。また、内服薬の他、ボツリヌストキシンという注射が用いられます。
片側顔面けいれん
軽い状態では、薬物治療を行います。根本的治療としては、神経血管減圧術という、顔面神経を圧迫している血管の位置をずらす手術が行われます。
アドバイス
まぶたのけいれんの原因には、いくつかの原因があります。横浜脳神経内科では、日本神経学会専門医・指導医が診療を行っています。心配な方は気軽にご相談ください。
参考および引用文献
(文責:横浜脳神経内科 理事長 丹羽 直樹)