スポーツ選手の頭痛

ラグビーや柔道などのスポーツで急な頭痛を起こす場合があります。

症例

20代前半の男性で、高校時代からラグビーの選手をしていた方です。練習の後、突然右の首の後ろが痛くなり、その場でうずくまってしまいました。首の捻挫かと思い、しばらく様子を見ていましたが、その後も痛みが続いていたため、5日目に横浜脳神経内科を受診しました。

MRIで脳の血管を撮像しました。

解離性脳動脈瘤

右の首から後頭部へ行く椎骨動脈の一部がコブのように飛び出ています。

この部分をT1BB法(T1 black blood method)という特殊な撮像法で確認したところ、

解離腔内血栓

血管内部が白く光って描かれています。これは血管内で血栓(血液の固まり)ができている事を意味します。

椎骨動脈解離という状態です。

この椎骨動脈解離が進行すると

  • ①血管が破れてくも膜下出血となる場合
  • ②血管が詰まって脳梗塞を起こす場合

という2通りの危険があります。

首に強い衝撃が加わるような激しいスポーツ(ラグビー、アメリカンフットボール、柔道など)をしている方は、急な後頭部や首の痛みが出た場合、この椎骨動脈解離を考える必要があります。

参考

  1. 頭痛について知る – 日本頭痛学会

(文責:理事長 丹羽 直樹

Verified by MonsterInsights